プロフェッショナルとしての期待
国際歯科学士会(ICD)日本部会63年の歴史の中で、初の女性会長として会務を執行された隅田百登子会長の後任として、2022年6月から会長を仰せつかりました鏡宣昭でございます。
100年という大きな節目を超え、世界のオピニオンとしてその地位を確立された各国の専門医と情報が共有できる貴重な組織の一員として、またその執行を任された重責に身の引き締まる思いです。 WHOがパンデミック宣言をした2020年以降、社会環境も大きく変化し対人交流も今尚ままならない状態が続いております。このような大切な時期にICD日本部会の会務をお引き受けすることは、浅学非才である私にはとても荷が重すぎることは十分心得ておりますが、31名の新任理事の皆様と200名を超えるフェローの皆様、そして本年入会されたニューフェロー5名の方々のお力とお知恵をお貸し頂ければ、必ず遂行できると確信いたしております。
ICDの創設に関わられた奥村鶴吉先生は、東京歯科大学の初代学長であると同時に1900〜1950年代にかけ臨床から教育まで歯学の礎を築かれたことは、ICD日本部会雑誌の2015年号で当時国際理事の橋本光二フェローによる調査報告や、広報・編集委員会が編集して、YouTubeに掲載した国際歯科学士会日本部会の「奥村鶴吉先生講演肉声」の中にも紹介されている通りですが、特に1916年頃から口腔衛生学、とりわけ学校歯科保健に強い関心を持たれていることは史実に記されている通りです。人類の歴史が感染症との闘いの歴史である以上、いかにこれと対峙し予防していくかは「知恵比べ」と言えるかもしれません。
コロナ禍の2年間、予防という医療の基本を見直し、職種は異なりますが専門医としての果たすべき役割の大きさを痛感しております。
ICD日本部会においては、前任の隅田会長が築き上げられた事業を継承し、三大事業を遵守しつつ歴史ある学術団体として相応しい活動ができるよう努力してまいりたいと思います。
皆さんがお持ちの高い歯科専門医としての力を存分に発揮して頂き、利他のために貢献することこそ、ICDが理念とする奉仕の精神であろうと考えます。
フェローの皆様にはご支援とご指導を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。 |