国際歯科学士会
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News & Topics リポート
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開催報告
I.C.D.生涯研修(II)
−インプラント治療を実習を伴って基本から考える−

事業運営委員会 江間 誠二


研修の様子9月28日  東京歯科大学 解剖実習室

小雨が降る中を約30名のICDフェローが受講されました。
先ず担当役員よりこの講習会の主旨が「ICDは基本的なことから勉強していくことをアピールする。」との説明があった。


1.インプラント周囲の血管構造
湘南短期大学 学長 高橋 和人先生

正常歯肉について、付着上皮と口腔粘膜上皮があるが、インプラントには付着上皮がない。
付着上皮は、歯肉ポケットに拡大を防止したり外来刺激からの防御機構、自浄作用があり、歯を守っている。
この働きは、付着上皮にしか見られない特殊な血管網があるからである。この血管網は付着上皮からしか生まれない、口腔上皮の血管網と比較し、再生力に乏しい従ってなるべく残すようにしたほうが良い。歯根膜について歯根膜繊維の大束は、血管によって取り囲まれている。歯槽粘膜と付着粘膜の境目に静脈弁があり血液の逆流を防ぐようになっている。これによって歯根膜に圧がかかるたびに血液を送ることになって歯は抹消の心臓ともいえる。
 インプラントには、付着歯肉及び歯根膜がないのでこれら2点を手術前に患者に説明しておく必要がある。


研修の様子2.顎骨の構造と歯牙喪失後の形態変化
東京歯科大学 解剖学教授 井出 吉信教授

顎骨周囲軟組織の解剖
「インプラントを行うにあたって知っておきたい解剖学」
有歯顎と無歯顎の頭蓋骨を使って、先ず咀嚼筋の起始・停止・作用の確認を行った。

「インプラント埋入手術の際に考慮すべき神経、血管」
先ず、DVDをつかってビジュアルで説明され、その後実習室に移動し遺体標本で確認した。


研修の様子3.インプラント埋入手術
東京歯科大学 口腔外科講師 矢島 安朝講師

遺体を観察しながら顎骨模型にインプラントを埋入し、手順、切開の方法、器具の使い方等を実際に行った。


4.インプラント埋入手術失敗に伴う神経損傷、血管損傷、粘膜損傷
東京歯科大学 解剖学教室 阿部先生

顎骨周囲および内部における血管、神経の走行について解剖学教室所蔵の標本を観察しながら、インプラント手術の際に偶発症として損傷させやすい部位について解説が行われた。
以上を9:40〜16:00まで研修しました。

上顎にインプラントする場合の上顎洞との関係やその骨の薄さを実際に見ることが出来、大変参考になった.下顎では、顎舌骨筋の起始部に顎舌骨筋神経が非常に近接しているのを目の当たりにすることができ大変有意義な1日であった。

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